62A-05 解法メソッド

 休講につき「テキスト+学習のポイント+動画」でなんとかするシリーズ第二弾です。
 補講はあるものの娘のカリキュラムでは木曜実施のため、平常授業なしの単元となります。動画を見て自習スタイルに娘は完全にダレています…

 さて、今回の解法メソッドは「主体や呼称に注意しよう」です。
 言いたいことは分かりますし、物語文の記述問題などではそれなりの重要性があるように思いますが、正直言ってテキスト一冊使って取り上げる程かな、とは思います。02番の応用という位置づけでしょうか。

 角野栄子「トンネルの森」からの出題です。コトノハ3①も同じ文章の別場面。2016年に筑駒と立女で出題された文章ですね。角野栄子は「魔女の宅急便」の作者です。


トンネルの森 1945


トンネルの森 1945【電子書籍】[ 角野 栄子 ]


魔女の宅急便 (福音館文庫 物語)


魔女の宅急便(全6冊) (福音館文庫) [ 角野栄子 ]

 国語の入試問題として「戦争・平和」をテーマとするものはそれなりの頻度で登場します。2017年以降目立つ印象ですかね。

  • 金井直の詩「木琴」(青山学院)
  • 西谷修「戦争とは何だろうか」(立教新座)
  • 中脇初枝「世界の果てのこどもたち」(駒場東邦)
  • 中脇初枝「神に守られた島」(武蔵・桜蔭)
  • 山川方夫「煙突」(フェリス)

 上から3つが2017年、「神に守られた島」は2019年、山川方夫(WS-05大問一 「Kの話」の作者)の「煙突」 は2018年の出題です。そして戦争に関連する用語を知っていないと、状況が想像できない場合があり、広い意味での語彙力・想像力が試されます。ある種経験値で差が出るとも言えるので、お子様が嫌がらないのであればこういった世界を背景とする文章を読むのも一つの手です。

 さて、解説に移りましょう。
問一 指示語「これ」の内容はLl3「おばあちゃん、タカさんは死んだ」こと。線部①を含む形式段落を読むだけで解けます。消去法でも可。

問二 主体に注意して解きましょう。問三に関連します。線部a、bを含むセリフ「うん、でもおかあさんも、おにいさんもなくなったのだから」は光子によるものです。直前のイコのセリフ「おとうさんは大丈夫?」を受けて、光子はおとうさんの視点で語っているので「(父の)おかあさん」=「(イコの)おばあちゃん」、「(父の)お兄さん」=「(イコの)おじさん」になります。
 または光子はおとうさんと結婚しているため親族関係は共通(厳密には義母、義兄だがひらがな表記のため問題なし)なので、光子の視点で考えて、光子の呼称(視点)からイコの呼称(視点)への変換しても良いでしょう。分かりにくいときはさっと図を描くという手もあります。

問三 (物語文の)理由記述なので「気持ち」の言葉を入れるのを忘れずに。光子の視点なので呼称に注意しましょう。光子は自分のセリフ「~東京はとっても危険なの。また空襲になるかもしれない」と言いながら「激しく泣き出した」のだから、自分のセリフから悪いことを想像してしまったということ。直後のイコのセリフが「~おとうさんがどうかしたの?」となっていることから、父(光子にとっての夫)に関連すると分かります。
<気持ち>不安/心配
<対象>夫/セイゾウ ※「おとうさん」、「セイゾウさん」はイコの視点なので無得点。
<理由>(夫が)東京にいるから
<背景>(東京では)いつまた空襲があるかもしれない
 上述の通り、イコのからの呼び方である「おとうさん」や「セイゾウさん」は不味いです。ただ、この手の記述では登場人物の視点ではなく、客観視した答案を作ればこの視点の問題を回避できます。即ち、主語を明確にし、登場人物は呼称ではなく人物名で書くという方法です。本問であれば「光子はいつまた空襲があるかもしれない東京にいるセイゾウのことが心配だったから。」といった感じで書けます。
 なお、厳密には心配と不安には使い分けがあるのですが、中学受験の答案上ここに点差があるとは思えないので割愛します。

問四 線部の「背中をたたきながら~」からイコの光子に対する「励ます」気持ちが読み取れます。加えて線部直後で「大丈夫よ」というセリフが繰り返されており、一回目は光子に対するもの。二回目は自分に対するものです。すなわち「自分に言い聞かせている」ということ。よって両方の気持ちを含む選択肢を選びましょう。イの選択肢は前者のみ。エの選択肢は後者のみで説明不足の選択肢となります。

問五 おばあちゃんのボタンについてL18「かわいい」という表現からプラス評価であることが分かります。「まるでタカさんの目のように」は、自分のことを見守ってくれるおばあちゃんを象徴しており、線部の「抱きしめた」という表現もプラス。消去法でもマイナス内容であるア、ウは外せます。なお、イは「ボタン」との関連がうすいです。

問六 指示語「こんな放送」とはL8「大本営発表~」。これに対して、イコはL12「本当だろうか」と疑っています。「?」が繰り返されていることからも疑いの気持ちが読み取れますね。消去法でも可。

問七 問六と連関する問題です。線部がそのまま根拠となります。すべての文に「?」がついており、それを連続させることでイコの不安、戸惑いが表現されています。消去法でも可。

問八 線部延長すると、文頭が逆説の接続語<でも>なので対比。「カズちゃんのところに飛んで」いけば二人になるが、その逆なので「一人でいたいのではないかと思う。」カズちゃんの気持ちを考えるイコの視点で考えましょう。

問九 線部⑧のキーワードは「ハンカチ」なので、選択肢はハンカチに関連する説明になっているはず。よってア、ウ、エは不適なので一撃です。
 なおこのハンカチに関する情報はL17以降。このハンカチはイコにとって確かに「大事」なものです。
 また線部⑧の直後の一文からキーワードは「カズちゃん」。彼女の現状については同一形式段落内に複数あるのでチェック。カズちゃんの状態は、両親が亡くなり子供二人きり。この状況においていくら大事とはいえ「ハンカチをあげること」は「安易な慰め」にしかならず無意味であり、これに気づいたイコはハンカチを渡すことが出来ないということ。「無力感」という気持ちは記述問題でも使うので覚えておくといいでしょう。

 記述問題は4要素なので②×4=8点満点や、不安③、夫③、東京②、空襲②で10点満点くらいが分かりやすいでしょうか。娘の答案はなぜか「空襲」が「爆撃」になっていました…うん、まあ言わんとしていることは分かる。でも出来るだけ本文の表現を使おうぜ。特にその変換が求められている訳でもないし…

 各問で「消去法でも可」とコメントしてあるものは、各選択肢の傷が明確なのでこちらでも解けます、という意味です。
 消去法はあらゆる問題を解ける訳ではないので、本文中の根拠を探して解く方が確実ですし、今後の国語力の伸びも期待できます。
 なおそれぞれの傷については解答解説冊子に記載があるので省略しました。

 

国語A
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娘がSAPIXに通い出したので、プロ家庭教師のお父さんが国語の勉強法を考えるブログ

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