H62-05 大問二

 緊急事態宣言を受けてサピックスも休講となってしまいました。不安を抱えながら通塾するよりは良いと思う反面、どうしても緊張感が欠ける環境で勉強しなくてはいけない今年の受験生は不運だなと思います。娘もご多分に漏れず集中力を欠いています。受験生としては不味いと知りつつも、なかなか修正出来ず悩む日々です。

 私の本業であるところの家庭教師も、昨今の事情を鑑みチームスを使った映像授業となりました。記述の添削は画像ファイルを送ってもらい、こちらで印刷してから赤を入れて画像ファイルで戻すという、デジタルなんだかアナログなんだか分からない手法を取っております(笑)
 もう少し上手いやり方がある気はするんですけどねえ…ご存じの方がいらっしゃったら教えて下さい。

 娘は春期講習の終盤で、「『漢字の要』は6月末までに一回転、7月中にもう一回転させて夏期講習に臨むこと」という指示を受けてきました。これには全面的に賛成です。サピックス6年生の夏期講習は毎日国語があり、それに毎回漢字テストがついてきます。対策は一朝一夕では間に合いません。
 また昨今の事情を慮ってか、「『言葉ナビ』についてもドンドン先に進めること」という指示があった様子。

 …ま、通常のペースにもついていけてないんですけど…

 さて、それはともかく未だ春期講習の復習が終わらない我が家から、今日は05番テキストの大問二の解説をお届けしようと思います。一応娘の復習は06番まで済みました。予想通り、02,03番は手つかずのままです。でも、そろそろ平常の07が届いてしまうし、漢字の要や言葉ナビもノルマが残っているし…
 時間はあるはずなのに上手くいきませんねえ…

 本問は角田光代「キッドナップ・ツアー」からの出題です。大妻嵐山、鎌倉女学院、カリタス、渋渋、渋幕、成城、西武文理、普連土などで出ました。


キッドナップ・ツアー (新潮文庫)


 なお角田光代は62A-05コトノハ ステップ3②「笹の舟で海をわたる」の作者です。疎開の話でしたね。

問一 漢字のため省略。

問二 副詞を入れる適語補充ですね。
 a 線部延長して、一文で考えましょう。「体中にオイルを塗りたくって」いるので「赤茶色に[ぎらぎら]光った人たち」になります。
 b P10L6の線部①で「私は嘘をついた」とあり、L16「[ b ]うそをついた。」となっているので嘘をつくのは二回目。よって「ふたたび」が入ります。
 c 線部延長すると「自分が[ c ]嘘を言えるのが不思議だった。」となります。bに関連し次々と嘘をついているので「すらすら」を入れることになります。

問三 形容動詞を入れるので、どんな状態・様子かを文意から推定します。
 1 直前のセリフ「あんた、名前、何」の言い方が[ 1 ]に入ります。L17は接続語<でも>でつながっており「でもだからこそ仲のいいクラスメイトみたいな感じ」とプラスの表現となっています。ゆえに[ 1 ]はマイナス。「ぶっきらぼうな」が良い。親しいからこそ遠慮のない言い方をするということ。
 2 直前P12L16~17のちずのセリフは冗談。それが「急に[ 2 ]声」になるので対比。「まじめな」が良い。「まっすぐ前を向いたちずの顔」にも真剣さが現れている。またP13L3の「~おとなびていて~」もヒント。

問四 「嘘をついた」理由を答えます。P10L6~18にハルの内心が説明されているので、これを根拠に書きましょう。
<本当のこと>
 L6「いつまでいるのかわからない」②
<嘘の内容>
 L6「あと二日くらい」
<なぜ嘘をついたか>
 L16「複雑なこととても言えない」→複雑な家族の事情を他人に話したくない②
<「複雑な事情」の内容>
 L15「実のお父さんにユウカイされ中」②

問五 線部延長すると「ちずはきっと嘘をついているわけではないんだろうと思って、申し訳ないような気がした。」となります。問二b、cで見た通り、ハルは「嘘」ばかりなので、「私はもしかしたら、犯罪者の素質があるのかもしれない」と思っています。ハルとちずの対比をとってみましょう。
<ちず>
 本当のことを言っている
<私>
 ウソをついている
 →「申し訳ないような気がした」

問六 問五と連関します。ちずは家族について本当のことを話してくれたので、自分も本当のことを打ち明けるべきだと思ったということ。
 また線部③の前でちずがL6「おとなびて」おり頼りになる存在だと感じている。L5「助けてはくれない」私の空想上のおねえさんとの対比。

問七 「顔じゅうがとけだした」をキーワードに読むと、L19に「とけた顔」がある。その時私に「頭を下げ」ているので感謝。少なくともプラス面が現れる。「顔がとける」という表現は「顔をくしゃっしゃにする」や「相好を崩す」の仲間。

問八 対比をとって考えましょう。
<ちずの気持ち>
 両親が離婚しそうだと不安
<しかし>
 弟思いの姉(ちず)、家族で温泉に行く、娘を迎えにくる母
<結果>
 家族の絆が感じられる
<ハルの家族>
 両親は別居中、私はユウカイされ中、両親はなにか秘密の取引をしている
<ハルの気持ち>
 家族の絆が感じられない
<情景描写>
「太陽はだいぶ傾いて~」「影が~」といったマイナス表現
 →私の寂しい気持ちを表している。

問九 人間の特徴なので、人物像を答えることになります。よって内面的な内容。読み取れる性格を書けば良い。
 ・人懐っこい、人見知りしない
・素直、正直
・ 大人びている、しっかりしている、弟思い
※成績が良いは△∵性格ではない)

問十 対比または変化の考え方を用いる。問八と関連。
<背景となる気持ち/マイナス面>
 寂しさを感じていた②
<理由>
 ちずと比べて家族のつながり(絆)がうすい
<手をつないだ時の気持ち>
 落ち着かない、照れくさい、ぎこちなさを感じる②
<理由>
 父と手をつなぐのは久しぶり(抽象化すると「父とのふれあい」)
<変化後の気持ち/プラス面>
 嬉しい、幸せ、幸福感を感じる②
<理由>
 父と手をつなぎ、家族の絆を感じる②
<線部「~近づかなければいいのに」に現れた気持ち>
 少しでも長く続けば良いと思っている②

 問十は部分点狙いでしょう。6点くらい取れたら十分です。気持ちの変化を追えたか、理由付けをしたか、表現に現れた心情を書いたか。このあたりがポイントです。

春期講習
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娘がSAPIXに通い出したので、プロ家庭教師のお父さんが国語の勉強法を考えるブログ

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