WS-07 大問一

 動画がアップロードされるのが遅かったり早かったりとサピックス内部でも混乱が生じているのかな、と思いながら家庭学習の続く毎日です。

 地方出身で中学受験もなく、地元の公立高校に進み、浪人の末国立大学に着地した私と、小学生の頃から真面目に勉強を積み重ね最難関私立中学・高校を経てストレートで国立大学をパスした妻とでは、子供の勉強に対する要求水準がかなり異なります。
 これは良い悪いの問題ではなく、小学生時代の自分が出来たか否かを反映しており、なんというか私が「勉強しなさい」と言っても説得力がないというか……
 とは言え勉強しなければ受からないのはどんな試験も同じですし、なだめたりすかしたりしながら机に向かわせる毎日です(笑)

 今回は土特の07番を扱います。平常の08番の勉強が思うように進まず、土特の方が先に済んだという事情によるものです。そろそろ漢字の要、言葉ナビ、知の冒険のいわゆるコツコツ型の勉強が出来なくなってきています。やはり周りの友だちとの競争意識が、これらの支えだったのだと思い知らされます。早く普通の状態に戻ってほしいですが、十年以上かかるという悲観的な予測もあり、先行きが不透明ですね。

 さて、今回は皿海達哉「花がらもようの雨がさ」からの出題。成蹊で出題があります。本文を所収する「坂をのぼれば」は獨協埼玉で出ています。なかなかに古い本です。


坂をのぼれば (1978年)

 全体的には情景描写が表す気持ちの読み取りがテーマでしょうか。情景描写(様子)についてはH62-03大問二問四「苺はつやつやと並んでいた」から玉子の心情を読み取る選択問題、同問十「水際すっきりと活け上がった花はいい匂いをさせていた」から読み取れる玉子の気持ちを記述する問題を扱っています。(休講で授業はなかったですけど…)
 またH62-05大問一問四に関連して「五月の陽光がたわむれてつややかな波が走る」という擬人法はプラスイメージであり、曙号という良い馬が来たことを表しているので類題と言えます。
 更にH62-05大問二問十「道の先ににじんだ明かりが、いつまでも近づかなければいいのに」からハルの気持ちを読み取る記述問題を扱っており、プラスイメージから幸福感が長く続くことを願っていることを読み取る問題でした。
 先日扱った62A-08において「情景描写」がテーマになっていました。解法メソッド問七「ほんのりとあたたかく」という表現からイメージされる登場人物の気持ちを考える問題が典型ですね。
 以上のように情景描写の内容把握は中学受験国語においてはかなり重要です。関連付けを含めてしっかり身につけたいですね。なお娘は気持ちのプラスマイナスくらいまでは読み取れますが、精密な心情表現までは固定できません。雰囲気に至ってはサッパリ……

問一 文章構造を把握する問題です。それほど出るタイプの問題ではないので軽くで良いと思います。
 一文目が結論、二文目が理由となっていることを読み取りましょう。接続語を入れるなら「なぜなら」などが良いですね。同様の接続語が入る選択肢を選びます。

問二 「なさけなくて、泣きたく」なる気持ちとなる状況を考えます。Cの直前において「〈きのうは、この雨傘をさすのが楽しみだったのに……〉」とあり、「楽しみだったのに(今は楽しくない)」という気持ちが表れているので、この直後に入れるのが良いでしょう。気持ちの流れを追うと以下のようになります。
<背景>
 前日には新しい傘を差すのを楽しみにしていた。
<現在>
 ゆり子を濡らさないために歩きづらい。
<気持ち>
 情けなくて、泣きたくなる。

問三 表現を抜き出します。設問文の「気を取られながら」に関連する語を探すと良いです。L46「気が付かなかった」がこれに近い表現なので、これを含む三文が答え。なおL48「知らないうちに」も似たニュアンスの言葉です。

問四 線部延長すると「初江は、それで、ちょっと[ 1 ]ものの、今度は、そうしたゆり子さんが、よけい雨に濡れるようになったので、濡れないようにずっと傘を斜めに傾け、指掛けてやらなければならなくなった。」となります。指示語「それ」の内容は直前のL21「それからゆり子さんは、それまで一緒に持っていた傘の柄を何気ないふうに離した」こと。接続語と同じ機能を果たす<ものの>以降はマイナスの状況の説明になっているから[ 1 ]にはプラスの内容が入ることが分かります。ゆり子が傘をはなしたことで初江にどんな気持ちが発生するか考えます。答えを想定した上で探しに行く問題で、サピックスでは「解答をイメージする」という風に教える先生が多いようです。

問五 問三と同じく表現の抜き出し。「きのう」、「雨がさ」をキーワードに探しましょう。「きのう」のことが書かれた部分を探すのでも良いと思います。L109「おとうさんは、初江が新しい花がらの雨がさをきのうから開いたり閉じたりしているのを見ていたので、けさ登校するとき、『今日は雨が降ればいいな』といって送り出してくれたのだった。」とあります。

問六 情景描写を説明する記述問題です。「初江」と「ゆり子」が指定語句。「雨」は初江とゆり子の二人に降っているので、二人の気持ちを考える。「雨」は二人の間にあったL55「緊張」を表し、これが「小ぶり」になるのだから、先程の緊張が「和らぐ」ということ。一歩進めてL56「ほっとしている」などでも良いと思います。

情景気持ち
気まずさ、緊張感④
小ぶり和らぐ/ほっとする④

問七 直前のお母さんのセリフが初江をどうする意図によるセリフか考えましょう。流れは以下。
<背景>
 お母さんは初江が算数のテストを楽しみにしていたことを知っている。
<現在>
 初江が何も答えないので、上手くいかなかったのではないかと推定。
<セリフ>
 初江をかばうようなことを言う。

問八 問七と連関しています。L85~100の流れを押さえましょう。線部を分解して解釈するだけでも解けます。つまり初江とゆり子の気まずい状況の中、事情を知らないお母さんにどう説明したら良いのか、またはここで顛末を話してしまって良いのか迷い、困っているということ。

問九 表現の効果を考えます。「いつもより小さく」「さらに小さく」という表現はゆり子の傷ついた気持ちが反映しています。当たり前のことですが、本当に小さくなったりはしません。L116「うつむいたまま」というのも気分が落ち込んでいることを示しています。話の流れを捉えるならL115~123を読んで考えましょう。こちらも問八同様線部を分解して解釈すれば選択肢は選べます。

問十 初江の中で気持ちの変化が起きていることに注意。もしくは二つの気持ちが並立していると考えても良いでしょう。
<気持ちA>
 ゆり子を追いかけて、傘を貸してあげたい/濡れないようにしてあげたい/これ以上傷ついてほしくない
<気持ちB>
 ゆり子を追いかけていいのか迷う/放っておいてあげた方が良いのではないかと思う
<結論>
 Aを採用して、追いかける自分を励ます

 以上となります。ちょっと難し目でしょうか?娘には大問二と合わせて40分で解かせていますが、こちらは6割強といったところ。まだまだ情景描写に対する経験値が足りません…

土特
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娘がSAPIXに通い出したので、プロ家庭教師のお父さんが国語の勉強法を考えるブログ

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