娘の通う小学校は来月から再開予定だそうです。サピックスはどうなるでしょうね?東京は自粛も解除されないようですし、先が見えません。
GSはかなり残ってしまいましたが、平常はなんとか遅れを取り戻しました。いや、今日新しいテキストをやる日だから遅れているか…
さしあたって先週の土特の復習が済んだので、大問二です。
内海隆一郎「絹糸」は日本女子大付属や桐朋で出題があります。

丹塗りのぽっくり
問一 漢字なので省略。
問二 物語文の理由記述なので、気持ちの言葉必須であることを確認しましょう。
<「顔色が変わった」母の気持ち>
不安/心配/恐怖②
<理由>
家族への肺結核感染の危険性を感じたため③
<背景>
肺結核を患っているユキちゃんに「私」が本や雑誌を貸していた/家に肺結核のユキちゃんが触れた雑誌があることを知った②
問三 問二と連関。ユキちゃんに貸していた本や雑誌から肺結核の感染の恐れがあるということは緊迫した状況。ゆえに母は家族を守ろうという強い意志を持ち必死になっているということ。
ア × 「必死になっている」のは「動揺を隠すこと」ではなく、家族の命を守ること。
イ ○ 「顔が赤い」は多義語なので複数の意味を知っておきましょう。
ウ × ここで「恥ずかしい」気持ちはない。
エ × 「幸平さんに対して怒り」はあるかもしれないが中心的な気持ちではない。また「無理なお願い」も言い過ぎ。
問四 直後に(姉が)L50「このことで、だいぶ後々まで私を恨んでいたようだ。」とあることから、姉が「私」を責めるようなセリフ/恨み言だったと推定できます。セリフなので話し言葉可。
模範解答の「あんたが雑誌を持っていかなければこんなことにはならなかったのに。」以外に「あんたが悪いんだ。/あんたのせいでこんなことになった。」といったものでもOKかな?
問五 「仲間」=「私たち」なので、線部の直後の「私」が思っている内容は「私たち」に共通するものと思われます。ゆえにL64「神妙な面持ち」やユキちゃんをL84「心配した」といった表現から、ユキちゃんの死を悼んでいることが分かります。
ア × 「興味」のような場違いな気持ちではない。
イ × 「ひどいこと」の内容について記載なし。また「後ろめたい」気持ちは「私」には本を貸さなくなった負い目があるかもしれませんが、他の仲間にはないですね。
ウ × 「雰囲気に引き込まれ」たのではなく、仲間の内からL81「おれたちも送っていくべ」という発言が出ているから自発的な動きだと分かります。
エ ○ L64「神妙な面持ち」から真剣な様子が読み取れます。
問六 副詞を入れる問題。前後を読んで解きます。
B 「当時は、どの家庭にもカメラのある時代ではなく」とあるので、写真と馴染みが薄いことが分かります。よって「写真館に赴いて撮ってもらうことも、めったになかった。」ことになります。
C 直後に「しんと静まり返った空気に怯えたのだ。」とあり、これが理由。ゆえに「仲間たちは足を止め、そっと後ずさりして葬列から離れた。」と推定できます。
D 直前に「それを幸平さんに貸したことを思い出したのだ。」とあり、直後の「ユキちゃんの手が触れた本である。」ことを「うっかり見落とした」のだと分かります。
問七 線部④に関連する問題。(1)は説明記述となっており、大問一問五、十同様復習の重点です。
(1)設問に「具体的に何をどのようにすること」と問われているので「AをBすること。」の形で答えましょう。「母に倣って」とあるので、母が「風呂の焚き付け口へ持ってく」シーンを参考にします。L26~47を読んで考えましょう。
<A(対象)>
本(や雑誌)②
<Bすること(行動)>
風呂の焚き付け口へ投じ、燃やしてしまうこと②
<理由>
本にユキちゃんが触ったから②
(2)「できごと+心情+から」のパターン。「できごと」の要素が長いです。L60~112を要約することになります。
<「母に倣って風呂の焚き付け口へ持っていく気にはなれなかった」理由/本とユキちゃんの関連付け>
ユキちゃんの触れた(ユキちゃんに貸した)本が形見のように思えた。/本がユキちゃんとの思い出のように思えた③
<「私」のユキちゃんに対する思い>
本を貸すことで親しみを感じていた/脳裏に面影が揺らぐほどの存在感があった③
<背景>
実際には「私」はユキちゃんに一度も会ったことがない/見たことはない。②
(3)本を燃やしてしまう気になれないのだから、(2)で答えたユキちゃんに対する親しみ、絹糸を形見のように思っていたことが分かる行為(行動・動作)を探すことになります。内容的に本にまつわる話の中にあるはずなので、線部よりも後が探索範囲。L111「つややかな光沢を持つ絹糸を指先で触ったあと、私は頁のあいだへ戻した。」が適合。
説明記述は頻出問題なのでしっかりと練習をしたいところ。開成というか東大の現代文でよく出ます。受験国語としては、こういった問題を課すことで、受験生が本文内容を理解しているかを間接的に評価できるので重宝されるのでしょう。
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