WS-11 大問一

 今回の土特大問一はAテキストの文章テーマに沿った時代背景の古い文章です。鉄は熱いうちに打てというか、忘れない内に読んだ方が良いだろうということで、文章は長いですが頑張って解きましょう。

 出典は吉橋通夫「どろん」。芝で出たことがあります。というか芝の2009年の過去問ですね。本文を所収する「なまくら」は鴎友で出題されています。


なまくら (講談社文庫)

問一 語彙です。全て知っておくべきものでしょう。
 A 「船/舟をこぐ」…居眠りをする。
 B 「清水の舞台から飛び降りる」…思い切る。大きな決断をする。
 C 「嘘八百」…多くの嘘。全くのでたらめ。

問二 比喩の意味を読み取る問題です。親方は「仁王さま」に喩えられています。「仁王」は金剛力士。寺門の左右にあって、その忿怒の形相で仏敵を払う守護神。ゆえに正義と(悪人にとっては)恐怖、また力を表すことになります。直前の「平手」が選択肢の「荒っぽい手」にあたり、これが「力」の象徴。L54の「頭の先から足の先まで、レンガと粘土まみれになれ!」からドジ吉を「更生」させようとしていることが分かり、正義を象徴しています。その発言はL29「足腰立たんようにしてやる」といった恐怖を与えるものになっていることもヒントになります。

問三 対比です。具体的とあることに注意しましょう。線部内の指示語「そんなもん」はL44「官軍と幕府軍のいくさで、二親をなくし、屋台のだんごや、畑の大根なんかをぬすんで生きのびたんや」という親方のセリフを指します。これは親方が(生きるために)仕方のない状況において一時的に盗みをしたことを指しており、ドジ吉はこれを「ぬすっと」とは呼ばないと言っています。親方と対比されるのはドジ吉なので、ドジ吉が自分自身をどんな人間だと思っているのかを探します。「ぬすっと」に関連する語としてL76「かすめとって」があり、これを含む「物心ついたときから、人様の物をかすめとってきたのだ。」が答えとなります。

問四 親方の説得に対し「け、けど……」と言ってしまうドジ吉のためらいの理由を探します。L56のセリフ「むりや……おらにはできひん(=できない)」を受けているので、これをキーワードに本文を読むと、L78に「でも、できことなら、まっとうな暮らしをしたい。ただ、自分にそれができるのか、まったく自身がない」という表現が見つかり、ここが解答となります。

問五 線部の気持ちは「するどい目」という様子から、ドジ吉に対して厳しいものになっています。これが変化するので、変化後の気持ちはプラス。巡査の気持ちは「目」に表れることになるので「巡査」「目」をキーワードに読み進めましょう。また巡査の気持ちの対象がドジ吉であることもヒントになります。変化を整理すると以下。
<④の時の巡査>
 ドジ吉を捕まえようとしている→「巡査の太い眉毛の下で、するどい目が光っている。」
<L177の時の巡査>
 ドジ吉を捕まえようとするのをやめる→「巡査の目に、やわらかい光がやどった。」

問六 問五と関連。「誰の顔も見られず」とあるので、相手がいます。ゆえにイは外します。ここで顔を見られない相手は花ちゃんや親方、お上さんなので相手が巡査になっているウも外れます。L119~の内容で自らの素性がバレ、L125で「-もう、終わりや……。」と思っているのでエが選ばれます。またL150~の内容で花ちゃんにかばわれていることが分かるのでオ。線部の「うなだれて」という表現から気持ちを推定しても良いでしょう。

問七 十三字指定に注意。線部内の「勇気」「どんぶりばち」「いっぱい」がキーワード。「どんな存在」と問われているので、文末は名詞。L62の親方のセリフ「正吉、勇気を出せ。何も清水の舞台から飛び降りろとは言わん。どんぶりばち いっぱいの勇気をふりおこしてみろ。いっしょにささえてくれる者が、きっとおる」から抜き出します。

問八 設問文にある通り「正吉」に呼び名が変わっていることがヒントになります。「頭を下げた」という動作から気持ちを固定し、それに理由付けをする形で考えると良いでしょう。
<気持ち①「頭を下げた」にあらわれたもの>
 感謝②
<理由①問六と連関>
 自分をかばってくれた/自分の更生を応援してくれる②
<背景①>
 自分の素性を知ったにも関わらず/自分が元スリだと分かったのに②
<気持ち②>
 決心/決意②
<気持ち②の内容「ドジ吉」から「正吉」に呼び名が変わっていることから分かること>
 これから人生をやり直す/真人間になろうと思う②

 問八の記述問題は文字数が多いので詳しい説明が求められます。条件を見逃さずに6/10くらい取れると良いですね。気持ちが複数あるものにもそろそろ慣れていきましょう。

土特
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娘がSAPIXに通い出したので、プロ家庭教師のお父さんが国語の勉強法を考えるブログ

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