62A-18 今週の知の冒険

 俳句です。短歌よりは小学生にもとっときやすい印象です。有名なものなら出会ったことがあったりしますし。ただこちらも教養として知っておくには少々レベルが高いような…前回と同じく灘中志望者の方はやっておきましょう。
 首都圏では開成は坪内稔典の文章が出たことがありますね。中等部では前句付や季語を指定しての俳句作成の問題が出ています。普通部では芭蕉の句を伴った随筆文が出題されています。大妻は比較的よく短歌・俳句が出てきます。志望校に合わせ一定程度といった感じでしょうか。

大問五
①[秋]名月や池をめぐりて夜もすがら
 仲秋の名月を眺めながら池の周りを歩いていたらいつの間にか夜が明けてしまったのである。
②[夏]五月雨や大河を前に家二軒
 五月雨が降り続いて勢いを増した川が流れている。そのほとりに家が二軒、ぽつりと建っているよ。
③[春]赤い椿白い椿と落ちにけり
 赤い椿の花がぽとりと落ちていった。続いて白い椿の木からも、また花が一つ、ぽとりと落ちていった。④[夏]不二ひとつうづみ残して若葉かな
 辺り一面、若葉にうずめられているが、くろぐろとした富士山だけがぽっかり残っている。
⑤[冬]遠山に日の当たりたる枯野かな
 日は傾き、辺りはすで陰って暗い寒々とした枯れ野原が広がっている。山の頂は夕日を照り返し、ほっとするような暖かみのある赤い光を美しく放っている。
⑥[夏]牡丹散ってうち重なりぬニ三片
 牡丹の花が散り始めている。散った花びらの上に、花びらがまた一片落ち、ニ、三片が重なり合ったことだ。
⑦[春]雀の子そこのけそこのけお馬が通る(「雀の子」は春(3月頃)にかえる)
 道に遊んでいるすずめの子よ、そこを早くのけよ。お馬が通るからあぶないぞ。
⑧[秋]街道をキチキチととぶばったかな
 街道を歩いていると、ばったが飛び上がった。キチキチキチ… という音をのどかに響かせているよ。
⑨[秋]朝顔の今や咲くらん空の色
 今頃は朝顔が咲いているであろう空の色だなあ。
⑩[夏]青がえるおのれもペンキぬりたてか 芥川龍之介
 蛙が雨にぬれてペンキ塗りたてみたいにぴかーと光って色鮮やかである。
⑪[冬]山茶花に雨待つこころ小柴垣 泉鏡花
 小柴垣の向こうの山茶花は雨を待っているのだろう。
⑫[秋]おりとりて はらりとおもき すすきかな 飯田蛇笏
 ススキの穂は、(見た目には軽そうだが、)折り取って手に持つと、思いがけない重さだ。(見た目には感じない、生命の重さに感動している。)

大問六
A[夏]こがねむしなげうつ闇の深さかな
 こがね虫を放り投げたら、一瞬にして深い闇の中へと吸い込まれ消えてしまった。こんなに深々とした恐ろしい闇が、自分のすぐ身近にあったのだなあ。
B[夏]万緑の中や吾子の歯生え初むる
 新緑(葉の緑)の季節である。その中で、私の子どもの口の中には、初めての歯が生え始め、白く鮮やかに輝いている。
C[秋]啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々
 啄木鳥がせわしなく幹をつつく音が響いている。牧場の木々は、まるで冬支度を急いでいるかのように、あわただしく葉を散らしてゆく
D[秋]荒海や佐渡に横たふ天の川
 荒波立つ(日本)海を眺めていると、(流人の島である)佐渡に横たわるようにかかった天の川は、私の心に旅の寂しさと悲しさをいっそう募らせる。
 ⑤松尾芭蕉の「奥の細道」。恋…織姫と彦星の七夕。題材は「天の川」。佐渡…流人の島。
E[冬]あけ放す窓は上野の小春かな
 開け放った窓からは上野の小春日和の風景が見える。季語、季節。

①切れ字の復習。「や、かな、けり、なり、よ」
②「かな」が付いているので感動の中心は結句「深さかな」。接続している「闇の」を補い、「闇の深さ」に驚いていると推定。
③葉+歯。ウ:「万緑」は夏の季語→「春」と矛盾。エ:葉と歯を比較はしていない。
④「恋にからめて詠まれてきた題材」なので天の川。織姫と彦星。
⑤「流人の島」なので佐渡。順徳天皇、日蓮、世阿弥が有名。

 文語というほどではないのですが、娘には意味がわからない言葉が多いようです。「吾子」は人名ではないんだ…アコちゃんの歯が生えた話ではないんだよ…

国語A
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娘がSAPIXに通い出したので、プロ家庭教師のお父さんが国語の勉強法を考えるブログ

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